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感情から生まれた色えのぐ


ご無沙汰しておりました。 4月より、学校現場で美術と図工の非常勤講師を勤めることになり、自身の活動をアップできていませんでした。

小学4年生を担当しているのですが、先日、粘土と木工の間に2時間だけ絵の具の使い方を改めてマスターするという授業をはさみました。

「自分だけしか作れない、色えのぐをつくってみよう。」

私は、人よりも絵の具を使う機会が多いものですから「〇〇色ってどうつくるの?(たとえば灰色とかではなく、水道に映る太陽の色、だとかあの木の色だとか質問が難しいんです)」や「これ何色と何色をまぜてつくったかわかる?」といった質問がきます。

しかし、何百パターンの色を今まで無意識につくっていたからでしょう。ほとんど当てることができました。

小学館より以前付録絵本を出させて頂いた時、敏腕編集者から「自分だけの色をつくること。自分だけの絵を描くために紙から選ぶこと。描きやすいと思う下地の色が欲しければ下地からつくる」と愛の鞭で叩かれた日々を思い出しました。

ついついチューブからパレットも介さず感情のまま流れるようにそのものの色を使うことが多くなっていた最近。

授業を通して改めて、パレットの小さい部屋と大きい部屋を使い、1色から一つずつをまぜて新しい色を作って発見してみることをしようと思いました。

たとえば、黄色ときめたら。

黄色に黒をちょびっと、緑も入れたらどうなるかな?白を入れてピンクも入れてみようetc...

すると、この色つくり出したかったんだ!この色好き〜!という風に4年生でも飽きずにぐちゃぐちゃな真っ黒をつくるわけでもなく、それぞれがなんとも美しい色を作り出していました。

それをみて、改めてふと空いた時間に絵の具を触りたくなり、自分だけの授業をしてみることにしました。

テーマは決めず色のみに気を使う。

こんなの描こうをあえて排除しながら描く難しさ。

これを塗るためにこの色、ではなく、素敵な色ができたらまず面で塗ってみる。線で重ねてみる。そこからバランス的に合うと思う家具や生き物を重ねて描いていく。

つまり、感情から生まれた色えのぐで絵を描いてみました。

窓って描く時にハッとします。

心を解放して向き合わなければ描けないからです。

わたしの感情から生まれた色えのぐは、意外にもいつも使う原色で明るくてポップで、とは程遠い

ぼんやりとした色でした。でも好きな色です。


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